選ばれし者part2・・・朝生・再び

今回のpart2は前回のつづきです
今更ですが先日乙一さんの「きみにしか聞こえない」を見る機会があり
その後で思いついたものです(これだけで十分ネタバレですよね(^^;)

燃え盛る炎の中
消防士A 「おい!生存者だ!!」
消防士B 「しっかりしろ坊や」
奇跡的にひとりの少年が救助された
少年 「・・・おとうさん・・・おかあさん・・・」
その時の業火は少年の心の奥深くに恐怖として刻まれた
いつまでもいつまでも

ポタリ
朝生 「うっ・・・う・・・」
頬に何か暖かいものを感じて目を開く
暗い
何も見えない
沙紀 「あそうさぁぁぁん」
朝生 「沙紀?」
辺りを見回すが辺りは暗くてやはり何も見えない
そして静かだ
物音ひとつしない
ここはどこだ
男の声 「お目覚めですか?」
朝生 「誰だ?!」
男の声 「死神」
朝生 「・・・・・・・・・」

しばらく沈黙がつづいていたが先に沈黙を破ったのは死神の方だった
死神 「面白い奴だな、お前。俺は今までここで何人もの人間を見てきたが
大抵の奴はこっちの話を聞く前にグダグダ質問攻めだ」
朝生 「私は死んだんだな」
死神 「聡明だな、その通り。そしてここへ”選ばれて”きた」
朝生 「何故」
死神 「お前ら人間が”神”と呼んでる存在の戯れで招かれた」
朝生 「何のために」
死神 「双六というものを知っているか」
朝生 「質問に答えろ」
死神 「だから説明している。知っているな」
朝生 「あぁ」
死神 「双六のルールに振り出しに戻るというものがあるだろう」
朝生 「それがどうした」
死神 「お前、それに選ばれた」
朝生 「話が見えんな」
死神 「ふむ。お前の周りに年齢の割りに老けた人間はいなかったか?
そういう奴は皆お前と同じように選ばれた人間なのだ
死んだその日から時間をさかのぼり人生をやり直した証なのだ」

朝生 「何故見た目が老ける」
死神 「ほぉ中々鋭いな。ルールのせいだよ
今までの記憶を全て持ったままやり直せるんだ。何処からでも何度でも
そして気が付くのさ。”運命は決して変わらない”(ニヤリ)」
朝生 「何故無益なことを続けさせる」
死神 「戯れと言っただろう」
朝生 「拒否する」
死神 「面白い奴だなぁ、お前。”自分は必ず変えてみせる”とか言って
中身だけ年を取り続けていった奴を俺は今まで何人も見てきてるぜ
それに拒否権は最低でも1回時空をさかのぼらなければ得られない
期間は最低1年前からだ。まっ、その方が記憶がよりハッキリしてる」
朝生 「はじめてくれ」
死神 「行き先は」
朝生 「****年だ」
そして時は戻る

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