年の差カップルに乾杯!・・・内緒(^^;

このお話は「恋恋三昧」の番外編的な内容なのでヒロインは沙紀ではありません
また物語の設定にたくさん矛盾があるかもしれません(^^;
でも登場人物はお馴染みのアノ人達です(笑)

龍蓮会の罠にハマり窮地に陥った虎桜組
龍は喜多川の忠告を受け入れ(結果的に)父・那由多龍司を裏切り
龍蓮会の極秘資料を喜多川に託したのである
これにより龍蓮会は警察の介入を受け解散、事態は収拾したかに思えた
しかし事件の余波は想像以上に大きく、事態を重く見た桜コーポレーションは
早々に沙紀と朝生の解任を発表
社会的信用と経済的後ろ盾を一度に無くした虎桜組もまた解散を余儀なくされた

喜多川 「終わった・・・か」
12年前、龍蓮会の策略により実弟・南野清文を亡くした喜多川は復讐だけを
心の拠り所にして生きてきた
復讐・・・それが清文を目の前で殺された婚約者・時子への償いと信じた
絶望の暗く深い闇に包まれた時子<いもうと>を見舞う度、何もしてやれない
現実から何度一緒に死の淵へ逃げ出そうと考えたことか
しかし龍から手に入れた証拠を土産に龍蓮会と刺し違えることを決めた夜

復讐なんて新しい悲しみと恨みを生み出すだけで何の解決にもならないでしょ
それにそんなことを死んだ人が望んでいると思ってますか?
相手の命を奪って心から喜んでくれると思ってるんですか?
それに・・・それに、残された人の悲しみを考えたことありますか?

二十歳も歳の離れた小娘に説教されて目が覚めるたぁ
(理屈じゃあ、わかっていたんだが・・・な)
苦いものを飲み下すように小さく顔をゆがめると今日もまた病室の扉を叩く

喜多川 「おや?」
中から無邪気な少女の笑い声が聞こえてくる
これまで決して和らぐことのなかった心の闇が少しづつ薄れてゆくような気がする
(もっと早く連れて来りゃ良かったかもな)
気付いた沙紀の笑顔がこちらを向き、ベットの脇で灰谷が小さく頭を垂れた
ベットから上半身を起こして時子が静かに微笑んでいた

時が優しく流れる病室の静寂を破ったのは男の人の声でした
ヤス 「どーも、ども。あーーーっ、店長いたよ。社長の言ったとおりだ」
赤い髪をした男<ひと>がひょっこりと病室に現れこちらを見ていた
沙紀 「ヤスさん」
喜多川 「ヤス!?どうしてここに」
ヤス 「どうもこうもねぇや、おやっさん」
喜多川 「店長だ!」
その男<ひと>は苦笑いの喜多川さんに悪びれるでもなく話し続けた
ヤス 「いえね、店長。実はお得意様から仕入れのことで急に電話が入ってきやして
急ぎだってんで携帯に電話しても全然繋がらないもんだから困り果てていたら
社長がここだろうって教えてくれたんでさ」
喜多川 「おお、そうか。仕方ねぇな、席外すぜ。ちょいと電話してくらぁ」
そう言って喜多川さんは病室から出て行った
その男<ひと>は沙紀ちゃんや灰谷先生と顔見知りらしかった
私と目が合うとポカーンとこちらを見ていたその人は・・・

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