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忘れちゃ困ります・・・ムツキ |
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ムツキ |
「ただいま」 |
サツキ |
「・・・・・・」 |
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ムツキが帰宅して台所を覗くとテーブルの上の |
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お菓子とにらめっこするサツキの姿があった |
ムツキ |
「ただいま、姉ちゃん」 |
サツキ |
「あ、おかえり。ムツキ」 |
ムツキ |
「すごいじゃん。どうしたの?それ」 |
サツキ |
「うん、みんなにもらったんだけど・・・」 |
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それは近所で評判のお菓子だった |
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発売当初から大人気で店の前では行列状態だったところに |
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先日テレビでも紹介され、ますます入手困難になってしまった |
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それが5個も |
ムツキ |
「ふーん」 |
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くれたであろう人の顔ぶれは大体想像がつく |
ムツキ |
「カナデ達からだね」 |
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カナデ |
「か、勘違いするなよ。いつも家で飯食わしてもらったり |
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おばさんやムツキにも世話になってるからだぞ |
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その・・・・他にも・・・いろいろと・・・ゴニョゴニョ・・・」 |
ムツキ |
(素直にお前にやるって言えばいいのに(^^;) |
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ハル |
「そ、その・・・もし・・・良かったら・・・だけど |
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き、君に・・・どうかな・・・と思って」 |
ムツキ |
(相変わらず奥ゆかしいよね(^^;) |
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トウワ |
「毒見しろ」 |
ムツキ |
(あはははは) |
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清一郎 |
「お前のために手に入れてやったぞ。ありがたくいただけ」 |
ムツキ |
(なんか憎めないんだよ、この人(^^;) |
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ユキ |
「両端から僕と一緒に食べると甘さ倍増だよ」 |
ムツキ |
(大らかだよね(^^;) |
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ムツキ |
「じゃあ、お茶は俺が淹れてあげよ」 |
サツキ |
「それがね・・・これ、生菓子でしょ?賞味期限もあるから |
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早めにまとめて食べちゃいたいんだけど |
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お父さん出張でいないからお母さんとムツキと3人だと |
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上手に分けれないじゃない」 |
ムツキ |
「姉ちゃんがもらったんだから余計に食べればいいじゃん」 |
サツキ |
「1人で3個は無理だよ」 |
ムツキ |
「それなら、はい」 |
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テーブルの上には6個目のお菓子が |
サツキ |
「流石ムツキ!」 |
ムツキ |
(姉ちゃんのために買ってきたのはカナデ達だけじゃないんだよ) |
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おしまい |
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